「インフラの老朽化に伴う集約と再編、マネジメントシステム」に関する要点(その1)
首記設問は、別途示した通り来年度出題の有力候補と考えています。いくつかポイントを示してみたいと思います。
国のインフラに対する施策にはデジタル化、防災とともにインフラメンテナンスが挙げられています。インフラメンテナンスで掲げられているのが予防保全への本格移行と地域インフラ群再生戦略マネジメントの実現となります。特に令和5年度から活発に議論されているのが集約と再編ということです。
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出題の背景にはいろいろな問題があります。
・インフラ老朽化への対応
・維持管理費用の削減
・労働人口、インフラ管理者減少への対応
・豊かさを実感できる社会の実現
等々の課題に対する一つの施策となります。
出題されるパターンとしては
a)課題を3つ挙げる
b)最重要課題を抽出し解決策を示す
c)新たに生じるリスクと対応策
d)業務遂行にあたっての技術者としての要件と留意点
という感じかと思います。
説明の流れは以下となります。
①現状のまとめ
・インフラ老朽化の進行状況と将来の見通し
・維持管理のための職員数の減少
・地域のニーズに必ずしもマッチしないインフラ
・地域間の連携がない
②あるべき姿
・適切な維持管理体制への移行(予防保全への移行、効率的な維持管理体制)
・集約によるインフラストックの適正化
・地域のニーズや環境変化に適応した整備
→真の豊かさを実感できる社会の構築のためにストック効果の最大化を目指す
③課題(持続可能なインフラメンテナンスの実現)
・予防保全への本格転換(現状の評価方法と優先順位の策定)
・維持管理体制の見直しと効率化(人員不足への対応と対予算での最大効率化)
・集約における合意の形成と評価(適正なインフラを適切に管理する、安全安心を担保する)
・地域間の協力
④実現のための方策
・既存ストックの活用(計画的、集中的な修繕の実施)
・予防保全体制への補助(メンテナンスの取り組みに対する財政的支援)
・官民連携によるメンテナンス(維持管理事業への民間活力の導入、新技術の採用)
・Dx化による省力、効率化(人員不足を補うための新しいシステムの構築、ニーズの把握と評価)
・評価方法の確立と合意の形成(効率化、省力化を数値化し評価をわかりやすく)
・以上を統合したマネジメントシステムの構築、スパイラルの形成
①、②をなるべくシンプルにかつ抜けがないように記述し、③では予防保全への本格転換もしくは維持管理体制の見直しと効率化、といったテーマを抽出すれば適当かと思います。これらのテーマは、「集約と再編」だけでなく、「業務の効率化」、「インフラ維持の在り方」といった出題にも対応できるため、一度きちんとまとめておけば幅広く使えます。
ここではざっと見渡して思いついたことを書いてありますが、詳細にみればもっと書くことがあるかと思います。考えてみてください。
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次回はポイントとなる集約と再編についてもう少し考えてみます。
*文章の無駄難転用を禁じます。