鋼構造論文 令和5年度問題の要点 Ⅲ-2(業務の効率化 要点・留意点 2)
(1)「省力化や働き方改革に向けた鋼構造物またはコンクリート構造物の調査、設計、製作、施工、維持管理の業務効率化の取り組みにおける技術的課題を、技術者として多面的な観点から3つ抽出し、それぞれの観点を明記したうえで、その課題の内容を示せ。」の続きです。
まずは先に挙げた課題を考えてみます。
1 情報の有効活用が不十分(電子情報化と活用の遅れ)
いわゆるDx化の課題です。すべての部門において喫緊の課題といっていいでしょう。
現状では
・現場計測のデータが設計に連動しない、
・書類作成の手間がかかる、
・過去の情報が見つけられない、
・CADデータを後工程で有効に利用できない、
などの課題があります。
2 社会インフラ整備の全体最適化が不十分
どのような優先順位で社会インフラを整備するか、裏付けデータなどが不明確、ということです。
・定量的な評価基準が確立されていない
・算出するためのデータが不足している
・計画が最適化されず、社会的損失を生じる恐れがある
などの課題があります。
3 生産/調達方法、現場作業の改善、平準化
労働力の有効活用やコストダウン(コストアップを避ける)ことに対する障害です。
・生産、工事作業に山谷があり、資機材、人材の最適な活用ができずロスが生じる
・従来の調達方式では調達先が限定され、コストダウンが難しい。
・ 〃 有事に調達ができない、高額になる
などの課題があります。
4 新規技術開発の推進と早期実用化
将来的な効率化とコストダウンへの対応です。
・技術開発に投入する資金、人材に限りがあるため開発に遅れが生じる
・検証に時間がかかることで実用化が遅くなる。
などの課題があります。
課題についてはこれらのことを取捨選択し、まとめればいいかと思います。
上記ではテーマは4つに分類していますが、3つを選ぶ、もしくは3と4をひとくくりにするなどすればいいでしょう。
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(つづく)