令和7年度予想問題の当たりはずれ(自己採点)
今年度の出題についても自己採点してみました。
予想問題は以下でした。
必須科目Ⅰ:建設部門全般
◎自然災害(地震、風水害等)に対し強靭なインフラを整備する上で重要と考える課題と解決策
〇建設分野におけるCO2排出量削減及び循環型社会を目指すにあたって取組の課題と解決策
△予防保全型のメンテナンスの導入がすすめられつつある中で、地域におけるインフラの維持推進について課題と解決策を示せ。
選択科目Ⅱ-1:専門知識
◎鋼部材の防食システム(2種類)についてメカニズムと設計的な留意点を述べよ
〇遅れ破壊、座屈、疲労亀裂のうち一つについてメカニズムと発生予防のための方策を述べよ
△溶接個所の品質管理と検査法について対象箇所を特定し配慮点を述べよ
選択科目Ⅱ-2:応用能力
◎老朽化した構造物について健全性の評価を行うに当たり調査項目と検討内容、手順と留意点、関係者との調整方法を述べよ。
△建設中の構造物における災害対策について検討項目と内容、留意点、関係者との調整方法を述べよ。
〇耐震補強を行うにあたっての調査事項と留意点、関係者との調整方法を述べよ。
選択科目Ⅲ:問題解決能力と課題遂行
〇労働時間の短縮や循環型社会の創出のために、効率的な業務の実施と技術の維持を並行して行う必要がある。そのための課題と解決策を示せ。
◎グリーンインフラや再生エネルギー創出のための設備をインフラに建設時に導入するにあったっての課題と解決策を示せ。
△建設業における担い手を確保するための環境整備について課題と解決策
必須科目Ⅰ(600字×3枚)出題
a) 建設業は社会資本に対する守り手である一方、人材の不足が進行している。また資材の高騰、時間外規制などへも対応しながら建設工事等が実施される環境づくりが欠かせないなか、令和6年6月には担い手3法が改正された。このような状況下、持続可能な建設業を実現するために①社会資本の整備の担い手、地域の守り手である建設業がその役割を果たすための技術的課題を多面的な観点から3つ抽出し説明、②最重要と考える課題に対する複数の解決策、③解決策を実施して生じる波及効果と専門技術を踏まえた懸念事項、④業務遂行にあたり技術者としての要件と留意点
b)「経済成長の実現」に向け国際競争力強化に資する社会資本の重点整備、地域基幹産業の振興のための基盤整備などの取り組みが進む中観光、製造業の配置集積の見直し、DX・GX分野への構造転換などに対応する資本整備が重要になっている。このような状況下①国際競争力の強化、地域産業の振興のための社会資本整備を進めるにあたっての技術的課題を多面的な観点から3つ抽出し内容を記述、②最重要と考える課題に対する複数の解決策、③解決策実行により期待される波及効果と懸念事項への対応策、④業務遂行にあたり技術者としての要件と留意点
自己採点
a)少しわかりにくい出題ですが、要約すると「建設業の抱える人材不足、資器材の高騰などに対応しつつ持続可能な建設業で有るための、課題、解決策、等々を述べよ」という問題です。魅力的な建設業とするための労働環境の整備、効率化への対応、DX化など構造の転換などがまとめらればいいと思います。予想の選択課題Ⅲ 建設業における担い手を確保するための環境整備について課題と解決策が対応するところです。(〇)
b)要約すると「経済成長を促すための社会資本整復における課題、解決策、・・・」という問題です。産業構造の変化に対応する社会資本整備の在り方を記述する必要があります。この出題は予想外でした。(×)
選択科目Ⅱ-1、Ⅱ-2(各600字×2枚)
選択科目Ⅱ-1(600字×2枚)出題
1) 座屈が生じる可能性のある鋼部材を1つ挙げ、パラメー他と耐荷力との関係を用いて座屈減少を説明
2) 高力ボルト摩擦接合に用いるボルトを複数挙げ、それぞれの特徴について説明、そのうち1つについて施工時の留意点を複数述べよ
(コンクリートは省略)
自己採点
全般的に予想外でした。専門科目は難しい…。
1)座屈は予想していた②の一部が対応した程度でした。(△)
2)高力ボルトは予想外でした。確かにこの3年ほど出題されていなかったので出題されてもおかしくなかったです。(×)
選択科目Ⅱ-2(600字×2枚)出題
a) 構造物の耐久性を確保するうえで基準に沿った設計に加え、状況や部位、環境・荷重等の作用や維持管理の難易度など、検討が必要となる場合もある。
①対象とする構造物、現地の状況及び条件、構造物の耐久性確保のためにさらなる検討が必要な理由を設定し、構造物の耐久性を確保するために調査、検討すべき事項とその内容について説明せよ。
②業務を進める手順を列挙して、それぞれの項目ごとに留意すべき点、工夫を要する点を述べよ。
③業務を効率的、効果的に進めるための関係者との調整方策について述べよ。
b) 大規模地震により損傷した構造物の恒久的な復旧において
①対象とする構造物部位と損傷を1つ挙げ、復旧後の耐震性能を設定したうえで復旧計画を策定するための調査検討事項とその内容について説明せよ。
②業務の手順を列挙して、それぞれの項目ごとに留意すべき点、工夫を要する点を述べよ。
③上記業務を効率的、効果的に進めるための関係者との調整方法について述べよ。
自己採点
a)「構造物の耐久性を個別条件を設定して検討するための各種事項」という問題に要約されます。予想問題の老朽化構造物に対する健全性評価で50%くらいがヒットしているくらいでしょうか。(〇)
b)「地震による損傷に対する復旧」という問題に要約されます。予想していた・耐震補強を行うにあたっての調査事項と留意点、関係者との調整方法、がまとめられれば半分くらいは書けそうです。(〇)
選択科目Ⅲ(600字×3枚)出題
Ⅰ) 供用中のインフラにおける補修・補強工事では機能の制約や周辺環境への影響などが考えられ、これらの影響を軽減する配慮をしながらの施工が必要となる。このような状況を考慮して、以下の問いに答えよ。
(1)大規模補修・補強工事において社会的影響の軽減に配慮する上での技術課題を、技術者として多面的な観点から3つ抽出し、それぞれの観点を明記したうえで、その課題の内容を示せ。(回答の際には必ず観点を述べてあら課題を示せ。)
(2) 前問(1)で抽出した課題のうち最も重要と考える課題を1つ挙げ、その課題に対する複数の解決策を、専門技術用語を交えて示せ。
(3)前問(3)で示した解決策実行しても新たに生じうるリスクとそれへの対応について、専門技術を踏まえた考えを示せ。
Ⅱ) 建設現場の生産性向上の取り組みに関する指標が令和6年4月に示された。このような状況を踏まえ、以下の問いに答えよ。
(1)建設現場のオートメーション化に取り組んでいく上での技術課題を、技術者として多面的な観点から3つ抽出し、それぞれの観点を明記したうえで、その課題の内容を示せ。(回答の際には必ず観点を述べてあら課題を示せ。)
(2) 前問(1)で抽出した課題のうち最も重要と考える課題を1つ挙げ、その課題に対する複数の解決策を、専門技術用語を交えて示せ。
(3)前問(3)で示した解決策実行しても新たに生じうるリスクとそれへの対応について、専門技術を踏まえた考えを示せ。
自己採点
Ⅰ)「大規模補修・補強において社会的影響の軽減のために配慮しなければならない課題と解決策、将来の懸念事項」という問題になります。建設中の構造物における災害対策、耐震補強を行うにあたっての調査事項、等が書ければ半分くらいは書けるのではないでしょうか(〇)
Ⅱ)「建設現場のオートメーション化、効率化における課題」と要約されます。選択科目Ⅲ労働時間の短縮や循環型社会の創出のために、効率的な業務の実施と技術の維持、そのための課題と解決策を示せ、がやや該当します(〇)
総括
ということで
◎:0個
〇:5個
△:1個
✕:2個
という結果になりました。45~55点というところでしょうか。
出題の印象として、少しひねられた出題が多かった感じがします。また、出題の文もわかりにくいところがあり、要点を把握する能力がより求められるという印象です。
選択科目Ⅱ-2は広範囲でとらえどころがない出題という印象が以前からあり、やはり今年度もそうでした。
来年度はもう少し的中できるように研鑽します。